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#12 予防接種の基礎知識およびワクチンの効果と副反応2016年11月解説:福島県立医科大学小児科教授 細矢光亮先生

第12回ワクチン勉強会

予防接種の基礎知識およびワクチンの効果と副反応

ワクチン接種は大事だと思うけど副反応が心配…。接種するべきなのかどう判断したらいいの?
今回は福島県立医科大学小児科教授 細矢光亮先生。
「予防接種の基礎知識およびワクチンの効果と副反応について」をテーマにママ達の不安に答えていただきました。

予防接種の基礎知識およびワクチンの効果と副反応
予防接種の基礎知識およびワクチンの効果と副反応

副反応や合併症が心配なのですが、周りのママたちに勧められたワクチンを接種しておけば安心ですか?

ワクチン接種は誰かに勧められるから受けるのではなく、ママたち自身が正しくワクチンの効果と副反応を理解した上で接種の必要性を判断して欲しいと思います。

補足説明
例えば、おたふくかぜの場合。ワクチン接種の副反応で無菌性髄膜炎を発症することがあります。しかし、自然におたふくかぜに罹り無菌性髄膜炎を合併する割合よりもはるかに低いというデータがあります。
また、ロタウイルス感染症の場合。ワクチン接種率が上がると、流行が小さくなるというデータからも効果は十分にあると考えられます。しかし、ワクチン接種により腸重積の発症リスクが増えることも、また事実としてあります。
どうすることが子どもたちを守ることになるのか、正しい知識を得た上でワクチン接種はママたち自身での判断が大切です。

ワクチン接種は誰かに勧められるから受けるのではなく、ママたち自身が正しくワクチンの効果と副反応を理解した上で接種の必要性を判断して欲しいと思います。
ワクチン接種は誰かに勧められるから受けるのではなく、ママたち自身が正しくワクチンの効果と副反応を理解した上で接種の必要性を判断して欲しいと思います。
ロタウイルスワクチンは受けたほうが良いの?
ロタウイルスワクチンは受けたほうが良いの?
おたふくかぜウィルスワクチンは受けたほうが良いの?
おたふくかぜウィルスワクチンは受けたほうが良いの?

ワクチン接種後の有害事象って副反応とは違うの?

副反応は有害事象の中の一つ

有害事象とはワクチンを接種した後に起こった様々な好ましくない健康上の問題、全てのことを言います。なので、副反応は有害事象の中の一つです。

補足説明
有害事象は主に3つに分けられます。
一つ目は、科学的にワクチンと関係のあるもとされている副反応です。微熱が出たり、接種したところが赤くなったり腫れたり、また稀に大きな健康被害を起こしてしまう可能性もあります。
二つ目は、ワクチン接種との因果関係のない紛れ込みです。例えばワクチン接種後にたまたま風邪を引いてしまったなどの事例は紛れ込みになります。
三つ目は、ワクチン接種と因果関係があるかないか、必ずしも断定のできないものです。
有害事象全てがワクチン接種後に起こり得るものとして勘違いされやすいですが、正しい知識を持って正しい判断を心がけましょう。

一度接種が中止されたワクチンがまた開始されたのはどうしてなの?

専門家の会議で評価を行った結果、安全性上の心配はないとされると使用が再開

ワクチンの接種後、死亡事例が複数報告されるなどしたものは一時的に使用を見合わせることがあります。その後、専門家の会議で評価を行った結果、安全性上の心配はないとされると使用が再開されます。

補足説明
過去に、小児用肺炎球菌ワクチンとHibワクチンを含むワクチンの同時接種後、乳幼児の死亡例があいついで報告されたことがありました。
そのため、平成23年3月4日からこのワクチンの接種が一時的に見合わせになりました。
しかし調査の結果、ワクチン接種とこの死亡事例との間に現時点では明らかな関係は認められず、海外でも接種後に同じ程度の死亡例がワクチンとの関係はないものとして報告されていることがわかりました。
ワクチン接種との関係がわからない紛れ込みの有害事象と判断され、平成23年4月1日より接種が再開されています。

専門家の会議で評価を行った結果、安全性上の心配はないとされると使用が再開
専門家の会議で評価を行った結果、安全性上の心配はないとされると使用が再開
第12回ワクチン勉強会
第12回ワクチン勉強会
細矢光亮先生

福島県立医科大学 小児科教授
1983年福島県立医科大学卒業 1986年同大学細菌学講座助手を経て、1989年ベルギー国ルーベンカソリック大学レガ医学研究所留学、帰国後、福島県立医科大学小児科学講座助手、講師を経て、2007年同大学小児科主任教授に就任。同大学付属病院 総合周産期母子医療センター部長兼務。
代表的なご研究には「インフルエンザに対する抗ウイルス薬開発に関する研究」「ウイルスによる中枢神経系感染症に関する研究」「インフルエンザ脳症の病態解明と治療」「小児感染症の臨床疫学研究」をはじめ多数あり、福島県医師会から医学奨励賞を、福島医学会から学術奨励賞を授与されています。
所属学会は、日本小児科学会(理事、予防接種・感染症対策委員会担当)、日本感染症学会(評議員)、日本小児感染症学会(理事)、日本臨床ウイルス学会(幹事)、日本ウイルス学会、日本神経感染症学会(理事)、日本小児神経学会(評議員)などです。