以外と知らないいB型肝炎のこと。
今回は済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科部長 乾あやの先生。細菌の若い人達の間で増えつつあるB型肝炎という病気について、また予防のためのワクチンについて教えてもらいました。
肝臓は、体内の化学工場です。右のあばら骨の下にある臓器で、脳と並んで人間の体で最も重く体重の50分の1を占めていて、主に糖、脂肪、たんぱく質を製造・分解する化学工場の役目をしていますが、「沈黙の臓器」ともいわれています。です。右のあばら骨の下にある臓器で、脳と並んで人間の体で最も重く体重の50分の1を占めていて、主に糖、脂肪、たんぱく質を製造・分解する化学工場の役目をしていますが、「沈黙の臓器」ともいわれています。
肝臓は、悪くなっても自覚症状が無く、黄疸や倦怠感がしてくる頃には重症化していることもあります。
B型肝炎はウイルスから引き起こされる感染症のひとつです。
B型肝炎ウイルスは肝臓に感染して炎症を起こします。この炎症が肝炎です。肝炎が持続すると慢性肝炎から肝硬変となり、さらには肝がんになる可能性があります。なので、B型肝炎ワクチンは、ガン予防のワクチンでもあるのです。
血液や体液で感染!
一番強い感染源は、キャリア(感染者)の血液や体液に接触することです。でもそれ以外にも、唾液、汗、鼻水、涙などから感染することもあります。通常の生活では滅多に感染しないのですが、アトピーになっていたり、皮膚に少しでも傷があったりするとそこからウイルスが入り込むのです。怪獣ごっこでかみついたりすることでも感染することがあります。
B型肝炎ワクチンは、生後2か月から接種できます。
子どもの頃の感染は持続キャリア(感染者)になりやすいので、出来るだけ早い時期に接種しましょう。特に、いろいろなお子さんと接触する機会が多くなる集団生活に入る前にワクチン接種が望ましいです。
もし、赤ちゃんの時期に接種しなかったとしても大丈夫。
かかりつけの小児科でいつでも接種可能です。
4~6ヶ月間に3回の接種を行うことで、B型肝炎と将来の肝がんを予防できるとされています。しかもB型肝炎ワクチンは現在あるワクチンの中で最も副反応の少ないワクチンなのです。
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HBワクチンは世界180か国以上でユニバーサルワクチン(国民全員が受けるワクチン)となっています。現在、90%以上の国と地域で導入しているにも関わらず、日本では行われていません。もうすぐ定期接種になる予定ですが、定期化を待って接種時期を遅らせないようにして下さい。
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科部門部長。
日本小児科学会専門医、日本肝臓学会専門医・指導医、NPO法人日本肝應研究所副理事長、こどもの肝臓のスペシャリスト。
雑誌『KIDS-TOKEI』2015年12月掲載記事
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