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#4 生後2ヶ月から受けられる予防接種2015年11月解説:慶應義塾大学医学部 感染症学教室 教授/慶應義塾大学院感染制御センター センター長 岩田敏 先生

第4回ワクチン勉強会

生後2ヶ月から受けられる予防接種

生後2ヶ月から受けられる予防接種。今回は慶應義塾大学医学部 感染症学教室 教授/慶應義塾大学院感染制御センター センター長 岩田敏 先生。最初に受ける人も多い定期接種「Hibワクチン」と「肺炎球菌ワクチン」について教えてもらいました。

第4回ワクチン勉強会
第4回ワクチン勉強会

Hib・肺炎球菌って何?

多くの子どもが鼻の奥やのどに持っている可能性のある菌

Hib(ヒブ)や肺炎球菌は、多くの子どもが鼻の奥やのどに持っている可能性のある菌。
持っているだけなら何でもないけれど、それが体内に入ると非常に重い病気になってしまうこともあるんです。

非常に重い病気って何?

細菌性髄膜炎という感染症という重い病気に

ヒブや肺炎球菌が耳に入れば中耳炎、肺に入れば肺炎、血液に入れば菌血症、脳や脊髄を覆っている髄膜に入ると(細菌性)髄膜炎という感染症を起こします。中でも(細菌性)髄膜炎は、抗生物質が進歩した現在でも後遺症が残ったり命を落とすこともある重い病気です。

髄膜炎の症状や後遺症って?

てんかんの発作や発達障害、言語障害といった後遺症も

髄膜炎は発熱、頭痛といった風邪に似た症状から吐き気・嘔吐・けいれん等、ひどくなると意識障害を起したり命を落としたりすることもあるこわ~い病気。
脳を保護している髄膜の中に菌が入って炎症が起きるため、脳がダメージを受け、てんかんの発作や発達障害、言語障害といった後遺症が残る場合もあるんだそう。

髄膜炎にかかったらすぐわかる?

早期診断の難しい病気です

最初は風邪と同じ発熱・頭痛などの一般的な症状のみなので、早期に診断するのが難しいこともある病気です。重症化するまでわからないケースも多いので、かからないようにすることが大切です。

Hibと肺炎球菌の予防接種を受ければ髄膜炎にかからない?

80%の細菌性髄膜炎を予防

細菌性の髄膜炎の多くはHibと肺炎球菌によるもの。

4回あるうち最後の一回を受け忘れているけど大丈夫?

追加接種は忘れずに!

複数回ある予防接種は、全部を受けてこそ効果があるので追加接種は忘れずに受けましょう。
特に追加接種の4回目はとても大事。今からでも受けておいた方が良いでしょう。

第4回ワクチン勉強会
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岩田敏先生

慶應義塾大学医学部感染症学教室 教授。慶應義塾大学病院 感染制御センター センター長。
感染症・小児科がご専門で、日本感染症学会理事長、同学会のワクチン委員会委員、日本小児感染症学会理事、日本小児保健協会理事、予防接種推進専門協議会委員長をつとめる、日本を代表する感染症、予防接種、ワクチンの専門医の先生です。5人のお子様のパパ、6人のお孫さんのおじいさまでもあり、めっど@mamaの勉強会においては、学術情報の総監修をして頂いております。

雑誌『KIDS-TOKEI』2015年11月掲載記事
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