寒さとともにやってくるのがインフルエンザウイルス。
病院内での張り紙で「インフレンザ予防接種予約受付中」というのを見た人も多いのではないでしょうか。
インフルエンザウイルスは主にA型とB型がありますが、症状が強く出るのはA型です。
感染すると、発熱、頭痛、倦怠感、筋肉や関節の痛みなどがあり、その後鼻水、咳などの症状が現れます。
普通の風邪よりもかなり辛い症状です。
通常は1週間前後で症状が治まります。
インフルエンザは毎年12月頃から始まり、1月末から2月上旬にピークを迎えます。
ワクチンの予防効果は接種して2週間後〜5か月程度と言われています。
つまりすぐ打っても効果が期待できるのは2週間後からになるということです。
また流行する前の10月末や11月からワクチン接種をはじめておくのが望ましいでしょう。
特に6か月以上13歳未満のお子さんは2回接種が必要です。
新規患者さんまでの在庫は確保していない場合もありますので、かかりつけ医のところで予約し、早めにワクチン接種を行うようにしましょう。
「予防接種したのにインフルエンザにかかった。
だから予防接種の意味がない」といってやらなくなる人もいます。
誤解もあると思いますが、型が違っていても一定の効果はあります。
年齢や今までインフルエンザにかかったか、流行しているウイルスの型、ワクチンの型が同じかどうかで効果の度合いが変わることもあります。
またインフルエンザワクチンは不活化ワクチンですので「予防接種でインフルエンザにかかった」ということにはなりません。
発症した後の重症化を予防する効果はあります。
インフルエンザの予防接種を「防災訓練」と仮定しましょう。
少しでも被害を少なくするために行う防災訓練って、予防接種の考え方と似ていませんか?
火事になった時すぐ動いて火事の広がりを抑える態勢になるためには、何をどうすればいいか、冷静に体と頭を動かす訓練が必要ですよね。
インフルエンザの予防も、たとえ型違いでもワクチンを体内に入れることで、細胞たちがウイルスの情報を新たに得ることで(何か侵入してくるぞ!)と身構え、戦闘モードに入ることになるのです。
インフルエンザワクチンはその年のシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて作られ出荷されます。
予測外のインフルエンザウイルスの場合は確かに効果が薄いものになりますが、毎年受けておくに越したことはありません。
「インフルエンザになったらなったでしょうがない」と思う人は、寝込むことで体力と時間を奪われるリスク、看病する人までも感染させてしまうリスク、家族全員で寝込む可能性があるリスクを負えるのでしょうか。
また「インフルエンザの症状は出たことがない」と健康に自信がある人は、日頃からうがい手洗いや食生活まで気を配っていることでしょう。
ですが症状が出なくても周りの感染者が出す飛沫感染が付着したものを身につけて歩いているかもしれません。
そうなると自分は大丈夫でも、周りの人を感染させてしまうこともあるのです。
主な感染経路は、咳、くしゃみ、会話などで起こる飛沫感染です。
その他飛沫の付着した部分に触れた手や指で顔を触ったりする接触感染でも起こり得ます。
潜伏期間は1〜4日あります。
お子さんをインフルエンザウイルスから守るには、予防接種以外に手洗いや咳エチケットとしてマスクなどを装着する、人混みの中に行かないことで感染を抑えることができます。
比較的多く見られるのは、接種した部位の赤みや腫れ、痛みがあります。
そのほか発熱、頭痛、寒気、だるさなどが見られますが、いずれも2、3日で治ります。
まれですが、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)が出ることもあります。
そのほか重い副反応としてはギランバレー症候群、急性脳症、急性散在性脳脊髄炎、けいれん、肝機能障害、喘息発作、血小板減少性紫斑病などが報告されています。
こうした重い副反応を知ればインフルエンザワクチンを避ける人もいるかもしれません。
ですが、ワクチン接種をすればインフルエンザを発症することはありません。
そしてインフルエンザは毎年やってきます。
普段お子さんの健康管理をしているかかりつけ医に相談して、予防接種を受けるのか、あるいは受けずに他の手でインフルエンザからどう守るのか、その方法を10月末までに考えてみてはいかがでしょうか。
インフルエンザワクチンの
予防接種はかかりつけ医に
予約がベスト
予防接種を受けても
インフルエンザにかかる
可能性はあるが軽く済む
流行前にワクチン型を
予想で作られるため、
合わないケースも
型が違ってもある程度の効果は
あるので、毎年受けておこう