ロタウイルス胃腸炎になっているお子さんの下痢便を直接、あるいは便が付いた手や指、食器などから間接的にこどもの口の中にウイルスが入ることで感染します。
これを糞口感染(ふんこうかんせん)と呼んでいます。
口から入ったウイルスが小腸の粘膜まで届くと、感染が起こります。
ロタウイルスの潜伏期間は1〜3日で、激しい下痢や嘔吐、腹痛、発熱がおこります。
脱水症状もおきやすく、乳児の場合は特に注意が必要です。
便1gでも1億〜100億個のウイルスが存在しますが、便1gってどのくらいの量かわかりますか?
なんと塩ひとつまみ程度の量です。
そんな少量の中に1億個以上のウイルスが入っているなんて考えると恐ろしいですね。
ロタウイルスワクチンが定期接種で導入される前、5歳未満の急性胃腸炎による入院の半数はロタウイルスが原因とされてきました。
自然に感染すると免疫はできますが、乳幼児が初めて感染するときは症状が重くなります。
かかる前にワクチン接種で免疫をつけて、お子さんの負担を軽くしてあげましょう。
現在、ロタウイルスのワクチンは2種類あります。
1価ワクチンと呼ばれているのは、ロタリックスを使います。5価ワクチンは、ロタテックと言いますが、いずれも予防接種の中では珍しい、口から飲むタイプのワクチンです。
ワクチンには甘い味がついていて、赤ちゃんが飲みやすく作られています。
両ワクチンは生後2か月から初回接種をはじめます。
1価の場合2回目の接種は生後3か月目(27日以上あけて接種)して終了です。
5価の場合は3回接種が必要で、生後3か月目に2回目を打った後、生後4か月目で終了します。
つまり、5価はワクチン接種回数が1回分多いのです。
ロタワクチンは生後2か月から生後14週6日までに1価(2回)か5価(3回)のいずれかを受けることが推奨されています。
ただし1価は生後20週、5価は生後24週を過ぎてしまうと、初回接種が受けられません。
「うっかり忘れて接種時期を逃した」「回数が1回足りていない」なんてことにならないよう、大事なことなので忘れないようにしましょう。
ワクチン接種後に嘔吐、下痢などの症状がでることもありますが、いずれも軽いものですので、特に治療する必要はありません。
ですが、数万接種に1例程度の割合で初回接種後7日以内に腸重積(ちょうじゅうせき)症の発生が多くなると報告されています。
7日以内に機嫌が悪い、激しく泣く、嘔吐、お腹が腫れる、便に血が混じる場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
感染者のひとつまみのう●ちの中には
1億個のロタウイルスが!
乳幼児が初めて感染すると、
症状が重くなりやすい
飲むタイプで1価と5価の2種類あり、
初めにどちらかを選択
初回接種後の7日間は
こどもの様子をしっかり確認